昨年9月24日の独り言「家族立ち会いのもと長女誕生」で女の子誕生の感激を述べたが,実はちょうどそのとき,衝撃の宣告を受けていた.
「心雑音が聞こえますね.精密検査を受けて下さい.京大病院に紹介状を書きます.」
生まれてすぐは大丈夫でも,数日後に心雑音が聞こえるようになることがあるらしい.それでも,すぐに処置が必要なほど深刻な事態ではないため,精密検査は退院してからで良いとのことだった.五体満足で生まれてきても,それだけでもないようだ.
昨秋,京大病院の小児科へ向かった.以前,知人の見舞いに訪れたときは,まだ古臭い病院だったが,すっかり見違えるように近代的になっていたのには驚いた.受付で紹介状を見せて手続きを済ませると,小児科の待合室に行くように言われる.3階の小児科の入口横には,子供が遊べる小部屋があり,おもちゃも置いてある.心雑音をさせる長女を抱えてオロオロする親のことなどお構いなしで,長男は「遊ぼうよー」とおもちゃに夢中.
小児科の待合室で待っていると,携帯受信機が鳴った.呼び出しだ.○○○室へ入って下さい,というような指示が画面に出る.指示された部屋に入り,診察を受ける.
診察結果は以下の通り.
「心室中核欠損症といわれる先天性心疾患で,右と左の心室の間の壁に穴が空いています.ただし,穴が大きくないため,このままでも日常生活は問題ないと思います.生まれたばかりの頃には,心臓に穴が空いている乳児も多く,自然に穴が塞がることも多いです.自然に穴が塞がることを期待しつつ,しばらく様子を見ることにましょう.」
診察していただいた小児科の医師は非常に親切で,紙に心臓の絵を描いて,どこにどんな穴が空いているのか,今および今後にどのような影響があると想定されるかなど,詳しく説明してもらえた.今では,心室中核欠損症の手術は安全な手術の部類に入るそうで,手術で直すことはできるとのこと.しかし,日常生活に支障をきたさない程度の小さな穴なので,わざわざリスクを冒してまで手術をする必要はないという結論だった.
生命に関わるレベルではなく,手術を受けなければならないレベルでもなく,日常生活も問題ないというレベルと言われて,安心した.それでも,先天性心疾患の心室中核欠損症とは可哀想に.
今日は3回目の検査だ.2ヶ月に一度程度エコー検査をして,穴の様子を確認しましょうということになっていた.
いつもの小児科の担当医に診察してもらう.最初は聴診器での診察だ.
「ん〜.ちょっと雑音が聞こえますね〜.エコーを見てみましょう.」
というわけで,引き続き,エコーで診察してもらう.
「おや,穴が見えませんね.あるのをあるって言うのは簡単だけど,ないって言うのは難しいからね〜.もうちょっと見てみましょう.」
前回のファイルを見ながら,さらにエコー検査が続く.
「ん〜.穴が空いていたところに,穴はないですね.塞がったみたいです.おめでとう.これで心臓外来は卒業だね.」
「2つ空いていた穴は両方塞がったのでしょうか?」
「どちらも塞がっていますよ.もう大丈夫でしょう.」
非常に嬉しかった.小さな穴が空いたままになり,大きくなっても年一回程度はずーっと診察を受けなければならないと覚悟していたため,予想外に良い結果だった.これにて一件落着!