学会主催の学生発表会
2005年03月20日(日)

3月はじめに,化学工学会の学生発表会が同志社大学で,計測自動制御学会の学生発表会が京都大学で,それぞれ1日間の日程で開催された.学生発表会は,その名の通り,学生に学会発表を経験する機会を与えると共に,大学を超えた繋がりを作る機会を与えるために企画されたものだ.両方の学生発表会で司会を依頼されたので,参加してきた.そのときに感じたことを述べる.

「なぜ,質問できないの?」

言いたいことはこれだけだ.司会をしている最中にも何度となく促したのだが,質問する学生がほとんどいなかった.黙って座って,自分か友人の発表を待つだけ.自己中心的としか言いようがない.学生発表会の主役は学生なのだから,学生が発表するのは当然ながら,学生が質問しないでどうするのか.レベルの高い学会なら,学生が質問に臆するのも理解できる.英語で質問ともなれば,尻込みする気持ちもわかる.しかし,日本語の学生発表会だぞ.ここで質問できないということは,どうしようもなく実力がないか,どうしようもなく臆病か,のいずれかだろう.いずれにしても,研究者や技術者として生きていけるのか甚だ不安だ.もっと積極的になれよ.

しかし,すべてを学生の所為にはできないはずだ.通常の国内の学会でも,全然質問がでないことも多い.学生を指導する立場にある人達がその程度の積極さしか身につけていないのだから,学生に学会で積極的に質問しろと言っても,説得力がないのは当然だ.というか,恥ずかしくて,そんな指導はできないだろう.偉い先生が,講義の際に学生に前に座りなさいと指導するくせに,学会では後ろの方で黙っているのも似たような構造だ.全然説得力がない.学生は教員の背中を見て学んでいるんだ.口先だけではどうしようもない.

まあ,他のグループのことはどうでもいい.少なくとも,自分のグループは血気盛んな集団にしたい.若いうちは噛み付けばいい.返り討ちにあったって構わない.次に対峙するときには打っ手切れるように,気合いを入れて研究に打ち込めばいい.年を取ってから,あまりキャンキャン吠えるのはどうかと思うが,若いうちは元気な証拠と好意的に見てもらえる.

学会に参加したら,一度は質問すること.これは義務だ.できないなら参加するな.

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