震災復興を邪魔する政治家とマスコミ
2004年11月01日(月)

今年は例年になく多くの台風が日本に上陸し,各地に大きな被害をもたらした.それに追い打ちをかけるように,新潟を大地震が襲った.最近では,ボランティアの活躍について見聞きする機会も増えてきたが,テレビなんかを見ていると,マスコミや政治家の対応に思わず首を傾げることがある.しかし,現地の実情を知らない者が偉そうなことを言っても無意味だろうと思い,特にそのことについて意見を述べるようなこともしてこなかった.

そんな折り,あるところで,新潟中越地震の被災地でボランティアに携わる方の書かれた文章を目にする機会があった.私なんかがコメントする必要は何もないので,その文章を以下に記載させていただく.

【以下,全文引用】(2004/11/7 一部削除)

どうか助けて下さい。

小千谷市役所、小学校での救援物資の配給や、炊き出しなどを手伝っていますが、現場はまだまだ混乱しているし、人出も足りていません。そんな状況下で、マスコミの取材陣が50人近く現場付近を陣取っています。

小千谷市役所の正面に車を止めている為に、救援物資を運ぶトラックは遠くに止めることしか出来ず、ボランティアの人達がせっせと現場に物資を運んでいますが、報道陣はそれを手伝う気配すらありません。心労と肉体的疲労が積もっている被災者の方々に当然のようにマイクを向け、24時間カメラをまわし続ける神経もさっぱり理解できません。

今日はこのあと、小千谷小学校に小泉首相が来るということで、マスコミ報道人の数はさらにふくれあがり、「毛布の配給が出来ないので、小泉さんが返るまで待つように‥」という連絡が入りました。一体何の為の視察なんでしょう?

午前中にも数名の政治家さんが小学校に来ましたが、トイレはどこかとたずねられ、仮設トイレを案内したところ「私に仮設トイレを案内するつもりかね?」と、言われたそうです。いったいこの国は、どうなっているんでしょう?

皆さんの声が企業や行政を動かします。マスコミは頼りになりません。マスコミに対しては、どうか支援活動の妨げとなり 被災者の心労を倍増させる今の取材のやり方についての抗議の声をあげてください。あまりにひどい状況です。


2004/11/7 追記

インターネットの普及によって個人・法人を問わず,情報発信が非常に容易になった.最近では,ブログの流行により,さらに手軽に,まさに日記を書く感覚で個人が情報発信できる環境になっている.このような状況で問題となるのは,ネット上を流れる情報の確かさをどのように確保していくかだ.いくらでも虚偽の情報を流すことは可能であり,いくらでも虚偽の情報を受け取ることも可能である.虚偽の情報はその多寡にかかわらず害悪でしかなく,正しい判断や行動の基礎となるのは正しい情報のみである.もちろん,正しい情報に基づいた行動が正しいとは限らない.ともかく,情報が氾濫する現在,情報の正しさは自分自身で見極めるしかない.

さて,この独り言で記載した内容については,チェーンメール&ブログ化が指摘されているため,一部を削除することにした.今回の震災では,類似した内容のメールを受け取ったり,ネット上で見たりした人は相当多いと推測される.このような情報を見聞きして,行動に移す人達は素晴らしいと思う.ただし,実際に行動に移すときには,特に震災復興に関しては,時々刻々と変化する現地の状況を正しく把握し,適切に行動するよう心掛けることが大切である.実情を無視した行動は,いくら善意からのものであっても,歓迎されない.厳に慎むべきである.

最後に一言.テレビ局各社は,子供の救出劇を延々と垂れ流していたが,公共の電波を使って一体何をやってるんだ.正真正銘のアホ集団か,奴らは.震災だろうが何だろうが,すべてをワイドショー化して,興味本位の報道しかできない姿には呆れるばかりだ.それに,疲れ切った被災者にマイクを向けて,今何が足りませんかと尋ねて,一体どうするんだ.それをそのままテレビに流してどうするんだ.そんな暇があるなら,現地の要望を徹底的に取材して,物資が必要なら何を何処へどのようにして送れば良いのか,また何が不要なのか,ボランティアをしたい人はどうしたら良いのか,どうしたら邪魔にならないか,現地の実情に合わせて内容を随時更新しながら,そういう震災復興に役立つ情報を全国に向けて配信すれば良い.それが役目ではないのか.白痴化した娯楽番組はそれを望む視聴者がいるんだから仕方ないが,低俗な報道にはうんざりさせられる.

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