独立記念日とボストン
2004年07月09日(金)

ボストンポップスによる独立記念コンサート
ボストンポップスによる独立記念コンサート

独立記念日の前日に行われる本番さながらのリハーサル.リハーサルだというのに,物凄い人の数だ.会場から溢れた人達で周囲の道路も大混雑する.

サマーセール!の街並み
サマーセール!の街並み

ブティックやオープンカフェが建ち並ぶ,美しい街並み.高級輸入ブランドから,BANANA REPUBLIC,GAPなどのアメリカンブランドまで何でも揃う.

水陸両用らしい
水陸両用らしい

ボストンの街を散策していると,この目立つ車両を何度も見掛けることになる.このまま川にも突入するので,観光客には人気らしい.乗らなかったが...

シーフードレストラン
シーフードレストラン

ここが美味しいという話を聞いてやってきた.海のすぐそば.

ボストンと言えば,ロブスター
ボストンと言えば,ロブスター

ロブスターを丸ごと一匹注文.ウェートレスが,テーブル脇で手際よく殻と身を分けてくれる.特に理由があるわけでもないし,アメリカのビールでもないのだが,アメリカに来るとCORONAをよく注文する.

ボストン美術館でデッサン中
ボストン美術館でデッサン中

ボストン美術館のコレクションも実に素晴らしい.ルノワールの「ブージバルでのダンス」には感激.そろそろ帰ろうと出口に向かって歩いていると,デッサンをしている集団に遭遇した.欧米の美術館や博物館は,コレクションが素晴らしくて,しかも入館料が安い.本当に羨ましい.

July 4thと言えば,アメリカの独立記念日だ.この時期に,独立宣言が読み上げられた地であるボストンに来るというのは,テロの標的になりにきているようなものではないか.相変わらず,空港の手荷物検査は厳しく,パソコンはもちろん,靴まで脱がされてX線で検査される.スーツケースの鍵は開けておくように命じられる.経由地のデトロイトでは,入国審査に1人で5分ぐらいかかる人達もいて,そんな列に並んだ私は酷い目に遭った.日本人だけが並んでいるような列を選ばなかったのが間違いだ.

ボストン空港に到着したのは7月3日の夕方.Tでホテル近くまで行こうとしたが,駅までの行き方が分からず,ターミナルビルの出口でガイドブックを見ていると,二人組に声をかけられた.まず男性から"You lost?".次に女性から「迷っちゃったの?」.何とも奇妙な二人組だ.電車でダウンタウンへ行きたいのだと伝えると、自分たちも電車に乗るから付いてこいと言う.シャトルバスで駅まで移動し,そこから地下鉄ブルーラインで乗換駅まで移動.そこでグリーンラインに乗り換えて科学博物館駅まで行きたいのだが,グリーンラインは工事中で閉鎖されているため,駅構内でチケットをもらい,それで連絡バスに乗らなければならなかった.そんなことが旅行者に分かるはずもない.この二人組は,親切にも連絡バスに乗るところまで面倒を見てくれた.そして,じゃあコンサート会場で出会ったら,ドリンクをおごってね!という言葉を残して去っていった.

案内してもらっている間に,小澤征爾が指揮するボストン交響楽団(BSO)の独立記念日コンサートのリハーサルがあると教えてもらった.独立記念日当日は非常事態になるため,ボストニアンは前日のリハーサルを聞きに行くそうだ.小澤征爾とボストン交響楽団の演奏を聴けるとは何とも幸運だ.こんな機会を見逃すわけにはいかない.ホテルで場所を確認して会場の野外ホールへと向かう.会場周辺は既に凄い人で,警察だけでなく軍も出動している.野外ホールの周囲には鉄柵が張り巡らされ,鉄柵の内側も外側も,椅子やレジャーシートを広げた人達で埋め尽くされている.それでも諦めずに,奥へ奥へと進み,鉄柵内へ入ろうとする群衆の列に並んだ.この列が長くはないのに進まない.そう,ここでもセキュリティチェックだ.軍が鞄を全部開けて調べている.それでも20分も並ぶと鉄柵の中に入ることができた.問題は場所だが,なんと,椅子席が数多く空いている.適当な椅子に座ると,観客の大きな拍手と歓声に迎えられて,若い指揮者が現れた.

指揮棒が振り下ろされて,最初の演奏が始まった途端に,観客が全員総立ちになった.曲目は"Stars and Stripes Forever".アメリカの愛国心を感じる瞬間だ.君が代の演奏で観客が一体感を持つのは,せいぜいオリンピックのときぐらいだろう.そもそも建国記念日がいつかを知っている日本人がどれほどいるだろうか.

リハーサルとはいうものの,本番と変わらない内容だ.次々とゲストが搭乗し,ポップミュージックやロックンロールが演奏されていく.そう.その若い指揮者は小澤征爾ではなく,キース・ロックハート.独立記念日にコンサートを行うのはボストンポップスだ.空港で親切な二人組に教えてもらった内容には誤りがあったわけだが,ボストンポップスの演奏を聴くことができて良かった.当然,大群衆の中で再会することはなかったが,親切な二人組には感謝している.

独立記念日の前後は,ちょうどサマーセールの時期でもある.成長の早い子供に合わせて次々と高い服を買うのは大変なので,サマーセールのチャンスに安い服をいくつも買う作戦だ.狙いは最初からOLD NAVYとBABY GAPに絞り込んである.Tシャツだと$3ぐらいから,シャツやパンツ,スリープウェアも$10を超えるようなものはほとんどない.ついでに,自分の服もBANANA REPUBLICで買っておく.

会議期間中はホテルに缶詰で相変わらず大変だが,会議の最終日である水曜日には,ボストン美術館(MFA)が夜9:45まで開館しているとの情報を得た.これなら会議終了後でも訪問できる.もちろん目当ては,ルノアールのブージバルでのダンス.モネの睡蓮をはじめ,ゴッホ,ピカソなどの作品が数多く展示されているその部屋で,ブージバルでのダンスは一際目立つ存在だ.ダンスをするコントラストの美しい二人の人物はほぼ等身大で描かれており,想像していたより随分と大きな絵だ.その絵の前に立って,しばらくみとれていた.ガイドブックによると,ボストン美術館の浮世絵コレクションは必見であると書かれていたのだが,全く浮世絵はなかった.残念ではあるが,ブージバルでのダンスが見られたので良しとしよう.

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