全く嫌な世の中だ
2004年05月09日(日)

世界中のメディアが,アメリカ軍によるイラク人捕虜の虐待問題を大々的に取り上げている.イラク戦争の目的というのは,建前では,大量破壊兵器で何をしでかすかわからない暴君を排除し,その圧政からイラク国民を解放し,自由と民主主義をイラクに与えることだったわけだ.ところが実際には,大量破壊兵器が見つからないばかりか,イラク人はフセイン政権のときと同様に,問答無用で殺害され,虐待され,拷問を受けている.本当に聞くのが辛いニュースだ.

流石に,ブッシュ大統領支持のアメリカ人も,自分達がしていることの愚かさに恐ろしくなっただろう.少なくとも,現政権のイラク政策への支持率は低下している.それでも,まだ40%以上が支持しているという事実には強い衝撃を受ける.

高尚な目的があれば,いつでもどこでもアメリカ軍が出動するわけではない.行動には対価が必要だ.イラク戦争の場合,対価は石油利権だ.イラクに天然資源も何もなければ,わざわざアメリカが動くはずもない.同様に,イスラエルが非道の限りを尽くしても,アメリカは見て見ぬふりだ.イスラエルを援護しなければ,ユダヤ系住民の支持を得ることができないからだ.しかし,イスラエルのやっていることはテロそのものであり,アメリカはテロ支援国家と呼ばれるに相応しいのではないか.このようなアメリカの暴挙を止めることができるのは誰か.日本であって欲しいのだが,それは叶わぬ願いのようだ.

さて,目を日本国内に向けると,脱年金犯罪にも三菱自動車事件にも進展があったようだ.

まず,脱年金犯罪だが,福田官房長官が辞任した.私は自民党は好きでないし,創価学会にも興味ないし,小泉政権も支持していないが,今回の福田官房長官の行動は見事だ.これに対して,民主党の対応は後手後手で,政権担当能力がないことを思い知らされた.与党には景気回復という追い風もあり,このまま行けば,政権交代はあり得ないだろう.イラク邦人誘拐事件の無事解決といい,構造改革とは無関係な景気回復といい,今回の年金問題といい,小泉政権は強運だね.まあ,それも実力だ.

次に,三菱自動車事件だが,国土交通省はハブの欠陥を示唆した報告書を約2年間放置していたそうだ.今回の三菱自動車事件では,大臣も含めて国土交通省は,三菱自動車に騙されたという態度を取ってきたわけだが,自分達も同罪とは言わないまでも,十分に酷い.しかも,この事態を受けて国土交通省が取る対応は,再発防止の努めることだそうだ.本当に役所というのは困ったものだ.まともに機能していない.何か問題があるたびに,「再発防止に努めます」という言葉ばかりを聞かされるが,予防という言葉を知らないのか.

それにしても,本当に嘆かわしい話題が多い.

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