超高層アパートだらけ
空港から九龍地区に行くまで,とにかく超高層アパートだらけ.建設中のものも数知れず.土地のなさは東京以上か.
1人前6千円のフカヒレスープ
最初,写真の器には,フカヒレだけが入った状態で給仕される.まさにフカヒレをそのまま,ただ千切りにしただけという感じ.そこに控えめな味のスープを注いでくれる.「フカヒレを食べている.それ以外の何物でもない.」という実感が嬉しい.
確かに"Last Samurai"だ
ポスターに書かれている内容は全然わからないが,「最後武士」だけは日本人でもわかる.まさに直訳.
昨年6月に香港で開催される予定だった学会が,SARSの影響で延期になり,ようやく今週に開催された.会場となった香港科技大学は香港北東部の海岸線沿いに位置しており,創立10年と新しく,非常に綺麗で設備の整った大学だ.新しさという点だけなら,京都大学の桂キャンパスも負けてはいないが,設備面での差は筆舌に尽くしがたいほどだ.なぜ日本の大学はこの程度なのだろうかと悲しくなる.
学会指定のホテルは九龍地区にあり,ホテルの周りは非常に賑わっていた.それにしても,街全体がビルとヒトだらけなのに驚かされた.香港の雰囲気を一言で表すなら「雑然」だろうか.人混みも買い物も好きではない私としては,何度も行きたいとは思わない感じだ.あと,高級外車,特にメルセデスが目に付いた.香港では自動車の維持費が非常に高いため,自動車を持つのは金持ち中心のようだ.
さて,買い物はしないが,折角香港まで来たのだから,美味しい中華料理は食べておきたいところだ.というわけで,まず飲茶の店に行った.ワゴン形式の店だったが,言葉なんて全然わからないので,とにかくワゴンが来るたびに中身を見せてもらって注文した.注文する過程が楽しく,料理も手頃な値段で美味しく,大満足だった.その店では「燕の巣」も食した.
ただ,飲茶は本格中華とは言い難い.そこで,本格的な広東料理を食べようと,そこそこのレストランに行った.目指す料理は大好物の「フカヒレ(魚翅)スープ」だ.中国まで来て,これを食べないわけにはいかない.注文したのは最も標準的なフカヒレスープで,1人前が約6000円.その他の料理もいろいろと食べて,合計金額が1人10000円だったから,やはりフカヒレは高級食材だ.これまで完成したスープの形で出てくるフカヒレスープしか食べたことがなかったのだが,ここでは,細切りにされたフカヒレが山盛りに入った椀と,スープだけが入った土鍋のようなものが一緒に運ばれてきた.そして,店員がスープを椀に注いでくれた.まさに,フカヒレスープ.それ以外の何物でもない.
このフカヒレスープには感激した.日本で食べると,2000円ぐらい出しても,他の具材に紛れてフカヒレが少々入っている程度で,フカヒレスープとはそういうものだと思っていた.しかし,本来のフカヒレスープとは,まさにフカヒレがメインなのだ.翌日,JUMBOという海に浮かぶ巨大レストランで食事をした際に,コース料理の一つとしてフカヒレスープが出てきたのだが,それがフカヒレスープだと気付かなかった.本物のフカヒレスープを食した後では,フカヒレを探さないといけないようなスープはフカヒレスープとは呼べない.
ともかく,SARSに感染することもなく,無事帰国した.潜伏期間は最大10日とのことなので,来週一杯は安心できないが...