なにかのテレビCMで「4×3=運用」とか子供が言うのがあった.証券会社のCMだったかな.まあ,会社名が全然記憶に残らないぐらいだから,優秀なCMではないのだろう.日本人は貯蓄好きと評されるが,確かに有価証券などの保有額に比べて預貯金額が非常に多い.「アメリカはニューエコノミーだ.資本主義だけど不景気なんて来ないんだ.」と一部の狂信者がほざいていた当時は,アメリカ人の貯蓄率はマイナスとか言ってなかっただろうか.それに比べれば,本当に日本人は堅実だ.ATMを休日に一回利用したら赤字になるくらいの僅かな利息に満足して,欲しいものも買わず,じっと貯金を続けるのだから.そりゃ,不景気にもなるよ.
でも,1999−2000年ぐらいには,日本の株式市場もITバブルに浮かれて,随分と威勢の良い時期があった.そう言えば,当時,「IT革命が日本を救う.これで数百万人の雇用が生まれる.」とか豪語してたエコノミストもいたような.今の大臣にそんな人がいなかったかな.あの話は結局どうなったんだろう.そんな妄想癖のある人に「ETFは儲かります.」と言われても,なかなか買う気にはなれないよな.大体,その大臣になってから,株価指数は半分ぐらいになってるんだから.もう下がる余裕もないってか.
そんな世間から見放された株だが,最近テレビで,「株価の下落は他人事じゃない」というコメントを耳にする機会が増えたような気がする.実際,株価が企業の価値を表すのなら,株価の下落は企業がダメだということと同じだから,いいわけがない.結果として,倒産やリストラもありえる.決して他人事ではない.それでも,ほとんどの人は他人事だと思っているのだろう.自分で株式投資をしないどころか,興味も持たない.しかも,そうであることが健全なことだと信じている感がある.株式投資をする人はギャンブラーか何かだと思っている.そんな風に,多額の貯金を抱え込んだ個人が株式を買わないものだから,日銀が買えとか,郵便貯金が買えとか,そういう話が出てくる.良いか悪いかは別として.
郵便貯金で株式を買うことに反対する人達は,「日本国民の虎の子を危険な株式市場に投入するわけにはいかない.」ともっともらしいことを仰る.でもさ,無意味な橋や道路を作るのに,官僚の天下り先であることしか存在価値がないような法人に,お金が消えていくのは問題ないわけ? ちなみに,株式投資の配当利回りなんて,今や銀行の利息とは比較にならないぐらい高いよ.
話は変わるが,最近,また投資用マンションの勧誘電話が多い.資産の運用と節税のためと勧めてくる.「マンション投資なんて,やる気もお金もありません.」と断るのだが,しつこく食い下がってくる.ああいうのは嫌だね.それに,正直なところ,利回りが魅力的には思えない.そもそも不動産ってよくわからないし...
結局,普通の人って,どういう資産運用をしているのだろう.銀行に預けてある貯金だけ? それじゃ,増えないね.ま,デフレが続いているうちは,それでもいいか.