今回参加したのはプロセスのオペレーションに関する会議だが,半分以上がサプライチェーンマネジメント関連だったのではないだろうか.サプライチェーンは重要だし,小売業界などであればロジスティクスが企業の優劣を決めかねないこともわかる.しかし,オペレーションと言えば,もっと多種多様な問題があるだろうに.まあ,ファッションなのだろう.
今回の会議はマイアミに近いコーラルスプリングスという場所で開催されたが,ゴルフリゾートであるため,まわりには何もなかった.せっかくフロリダにいるのだから,ビーチが近くにあれば良かったのに.さらに,ホテル宿泊料金が非常に高い.会議参加者料金で1泊169ドルで,税金などを入れたら2万円を超えてしまう.大学は実際の宿泊費にかかわらず規定の金額を支払う仕組みになっており,しかも下っ端は冷遇されるべきものであるため,私なんかは余裕で大赤字だ.やはり,近くの安ホテルに泊まって,レンタカーで往復する作戦を採用すべきだった.ただし,そうすると会議場でアルコールを飲めなくなる.もちろん,歩ける範囲に他のホテルはない.
フロリダ・キーズ
朝,キーウェストからオーランドを目指して,キーズを走り抜ける.海の上を走る爽快感は何とも言えない.
レンタカー
これまで色々なレンタカーを借りているが,2ドアは初めて.パワーも普通にあって,一人なら快適.
スペースシャトルの打ち上げ
ケネディスペースセンターからスペースシャトルが打ち上げられた瞬間.遠くから眺めているため,しばらくは全く音は聞こえてこない.それでも,迫力がある.
駝鳥のステーキ
駝鳥の肉があるときだけ料理してくれるため,友人(フロリダ大学教授)が事前にレストランに確認してくれた.柔らかくて,とても美味しい.
会議後,フロリダ大学を訪問し,教授宅に2泊させてもらった.ベッドルームが3つにプールもあるので,いつでも遊びに来てくれと言ってもらっていたため,その好意に甘えた形だ.林の中に住宅が点在しているといった感じの,アメリカの典型的な高級住宅街で,彼の家もまさに豪邸だった.少なくとも,日本人から見ればそうだ.到着したのが少し早かったので,車を止めてまわりの様子を窺っていると,ちょうど帰宅時間だったのだろうか,近所の住人数名が帰ってきた.驚いたのが,メルセデスやBMWばっかりだったことだ.しばらくすると,彼が赤いNISSAN-Zに乗って戻ってきた.
自宅に泊めてもらったこともあり,教育や研究について,いろいろと話すことができた.彼は非常に教育に熱心な教授で,フロリダ大学の最優秀教授として表彰されてもいる.若いアシスタント・プロフェッサー(日本なら助手に対応するのだろうが,日本では助手は講義を担当しないし,プロフェッサーという肩書きも与えられない.理由は不明だが,これは日本が国際社会で損することはあっても得することはない制度だと思う.世界を見なければ関係ないが.)を対象に,どのようにして学生に勉強する意欲を持たせるか,学生と接するか,成績評価をするか,どのような教材を利用して講義を組み立てると良いか,などを講義してもいる.突き詰めると,一人一人をしっかりケアすること,公正であることが大事だということになる.
会議場からフロリダ大学へ向かう途中で,思い掛けない幸運に恵まれた.スペースシャトルの打ち上げを見ることができたのだ.フロリダ大学へ最短経路で行くにはオーランドを経由することになるが,ケネディー・スペース・センターはオーランドから車で30分ほどの東海岸沿いにある.テロへの警戒から,事前には10〜14時の間に打ち上げ予定というぐらいの情報しかなかったのだが,フロリダ大学へ向かう前日に,ラジオで10:20に打ち上げ予定という情報が流れた.と言っても,カーラジオをいじっているときに偶然そのアナウンスを耳にしただけなので,単なる聞き間違いだったかもしれない.ともかく,10時前にKSC近くまで行ってみることにした.KSC近くのルート1は大渋滞で,海岸沿いには既に凄い数の観客が繰り出していた.道路脇は観客の車で埋め尽くされ,テーブルやチェアを持ち出して,キャンプ状態になっている人達もいる.スペースシャトル打ち上げは今でも大イベントのようだ.海岸から少し離れた所に路駐し,足早に海岸へと向かった.草むらをかき分けて,視界を遮られないところまで進むと,周囲のラジオから「あと15分」という声が聞こえてきた.完璧なタイミングだ.遥か遠くにKSCのタワーが見える.打ち上げ施設はその近くだ.ラジオのカウントダウンに耳を傾けながら,打ち上げ施設の方向を見つめる.打ち上げの瞬間,地上にボワッと煙が噴き出され,そこからスペースシャトルが激しく光を放ちながら現れた.見応えのある一瞬だ.歓声と拍手が沸き起こる.シャトルが上空まで進んだ頃,爆音が聞こえてくる.再び,歓声と拍手.大渋滞に巻き込まれる前に,その場を離れた.
貴重な経験と言えば,2日目の夕食にOstrichのステーキをご馳走になった.これまで食べたことがなかったが,柔らかい牛肉という形容がピッタリだと思う.大変美味しかった.