2002年11月30日(土)
自分の経済状態を評価する

日本の経済状態は酷いようだが,それでも,現在十分な年金をもらっている人達は恵まれている.現状維持を死守するだけで十分だろう.しばらくデフレが続くなら,何も慌てる必要はない.若年世代の政治離れが顕著な日本では,老年世代が選挙権を活用して,現状を維持するのは難しくないだろう.愚かな若年世代,いや,尊い奉仕精神の固まりのような若年世代は,不況の中を必死に働き,他人の年金をせっせと国に納めるわけだ.もちろん,将来戻ってくる見込みなんて全くない.あくまでも奉仕だ.

こんな話は誰でも耳にするわけだが,それでは,若い世代はどうすれば良いのか.公的年金に老後の面倒を見てもらえるなんて幻想を未だに抱いている人は,手遅れにならないうちに,社会の勉強でもした方がよい.自分が預けた郵便貯金がどうなっているのか,なんてことから勉強すると良いだろう.このような人達には,幸せを祈ってあげるほかないのだろうが...

日本でも確定拠出型年金が開始されたが,これは,企業が社員の老後までも含めた将来を保障するのを放棄したということだ.自分の老後資金は自分で稼ぎなさいということだ.しかし,その能力のある人が一体どれほどいるのだろうか.まず,義務教育では一切資金運用なんて教えてもらわない.もちろん,高校や大学でも教えてもらわない.とすれば,一体どうしろというのか.端的に言うと,庶民は大人しくカモネギになってなさいってことだ.これは言い過ぎだろうか.決して,そんなことはないと思うが...

カモネギから脱出するために,少なくとも背負っているネギを下ろすために,お金について勉強する必要がある.日本では,お金のことを口にするのは賤しい人で,不労所得を得るのも悪いこととだと見なす風潮が庶民にはある.証券投資などに対する視線の冷たさといったら,本当に凄いものだ.日本人の美徳か何か知らないが,実に巧妙に操られている.きちんとさせる必要がある.お金の勉強をしないで,どうやって自分の資産を守ることができるのか.せっせと貯金しておけばいい? OK.ペイオフ対策さえしておけば,元金割れはないだろう.もちろん,心優しい銀行が金利も付けてくれる.至れり尽くせりだ.お幸せに...

危機感を持っている人は,慌てて行動してもダメだ.何と言っても,標準的な日本人はお金に関して全くの「無知」なのだから.ソクラテスの言ではないが,自分が無知だと知るのが第一歩だ.そうすれば,勉強を始められる.まずは,自分の今の経済状態を評価してみよう.貸借対照表に莫大な負債がないだろうか,損益計算書の支出欄から湯水のごとく資金が流出していないだろうか.

もしそうなっていたら,雑誌にボロクソに書かれているゼネコンや銀行の心配をする前に,自分の心配をしなさい.マジで.

格好良い車,高性能なパソコン,最新モデルの携帯電話... これらは決して資産ではない.キャッシュを生み出さなければ,ただのガラクタにすぎない.

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