2002年08月10日(土)
オープンキャンパス

8,9日の2日間,京都大学でオープンキャンパスが開催された.京都大学としては初めての試みで,「受験生のための京都大学オープンキャンパス」と,パンフレットには書いてある.京都大学総長の言葉を借りると,「このオープンキャンパスは,京都大学はどんな所であって,どんなことをしているかを知っていただき,京都大学にチャレンジしていただくために開くものです.」ということだ.時代の要請なのか,文部科学省の意向なのか,京都大学の自主独立の精神の現れなのかは知らないが,こういうイベントを開かないと京都大学も学生を集められなくなっているのか?と一瞬焦った.流石にそんなことはないのだろうが...

両日とも,午前中に全体説明会があり,そこで総長と在学生代表の講演が行われ,午後から各学部に分かれて,講義を聞いたり,実験室や研究室を見学するというスケジュールになっている.参加者は合計3千人以上だったようだ.私も学生の誘導と実験室見学を担当することとなった.案内をしながら,高校生に感想を聞いてみると,総長の有り難いお言葉は,あまり面白くなかったようだ.話の内容は知らないが,どうせ,ありきたりのことしか言わなかったのだろう.立場上仕方ないのだろうが,高校生もそんな話を聞きに来たのじゃないよと思ったのだろう.しかも,この異常に蒸し暑い京都で,空調なし(だったと思う)の体育館で話を聞くのだから,洒落にならない.この夏は,テレビで熱中症が話題に取り上げられることが多いが,参加者がそういう症状にならなかったのか心配だ.あと,総長が東京大学との比較の話をしたそうだ.まったく,高校生にそんなせこい話をして,どうする気なのか? 京都大学の総長も大したことないねぇ.どうせ比較するなら,世界一の大学との比較をしろよな.ノーベル賞受賞者を多数輩出しているとか格好の良いことを言ってる同じ口で,国内の大学との比較をしていては説得力がないやろ.がっかりするねぇ.

オープンキャンパスでは,様々な模擬授業が行われる.工学部の6学科や,その他の学部学科も同様だ.しかし,この模擬授業はまさに諸刃の剣だと思う.高校生の知的好奇心に訴える,面白い授業ができた場合には,受験生を集めるという観点から,非常に効果があるのは間違いない.一方,授業が全然面白くなかったらと思うと,ゾッとする.最悪,こんな授業しかできない大学なんかに行きたくないと思う学生がいてもおかしくない.模擬授業を担当する先生は,凄いプレッシャーを感じていることだろう.どの学科もエース級の教授を投入する必要がある.まあ,普段から学生による講義評価を毛嫌いし,頑なに拒否している先生方には,模擬授業は任せられないのではないかな.

最後に回収したアンケートをチラッと見た限りでは,オープンキャンパスはなかなか好評だったようだ.

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