2002年07月20日(土)
アムステルダム経由でバレンシアへ

バレンシア科学技術大学(正式な日本語名は知らない)統計学専攻の先生に招かれて,バレンシアを訪問した.この訪問のためだけに,はるばるスペインまで来たわけではなく,来週バルセロナで開催される国際会議に参加するついでに立ち寄ることにした.

バレンシアはスペイン第3の都市らしいが,マドリッドやバルセロナほど便利に行けるわけではないため,今回はアムステルダムで一泊することにした.なぜアムステルダムかと言うと,単にKLM航空を利用しているからだ.アムステルダムには経由地として何度か滞在したことがあり,「アンネの日記」で有名なアンネ・フランクが隠れ住んでいた家やゴッホ美術館は訪れたことがある.そのアムステルダムで,現在,10年に一度開催されるというフロリアード(Floriade: feel the art of nature)という花と緑の博覧会みたいな催しが開催中(4/6-10/20)である.スキポール空港で大人しくしているつもりだったが,花で有名なオランダで10年に一度というイベントを見学できる機会は二度とないかもしれないと思い,朝一番に出掛けることにした.ところが,平日で開場後間もなかったせいなのだろうが,人影もまばらで,早朝の公園を一人で散歩しているような雰囲気だった.かなり期待して出掛けたのだが,思ったほどゴージャスなイベントではなく,多少がっかりした.アムステルダムに行く予定のある人は,アンネ・フランクの家,ゴッホ美術館,遊覧船での運河巡りなどの後に,時間があれば行ったらよいと思う.

アムステルダムでは半袖では多少肌寒く感じるときもあったが,バレンシアはとにかく暑かった.招待してくれた先生(名前はフランシスコというのだが略してバコと呼ぶそうだ)が空港まで日産マーチで迎えに来てくれて,ホテルでチェックインを済ませた後,市内観光と夕食に連れて行ってくれた.バレンシアはいかにも欧州的な都市で,ビルが建ち並ぶ新市街と中世の面影を残す旧市街からなり,旧市街には荘厳なカテドラルやいくつもの教会がある.カテドラルに隣接する塔からはバレンシアの街が一望できたが,高さ70mの塔を狭い螺旋階段で登るのには疲れ果てた.バコは,この塔に登るのは20年ぶりぐらいだと言っていたが,降りてきた後には,今後訪問客が来ても二度と登らないと宣言していた.夕食は海岸沿いのレストランへ行った.日が沈む地中海(ただし海が東側にあるため単に暗くなるだけ)を眺めながら,新鮮な魚介類の料理を勧められるがままに食べた.スペインといえばパエリャというわけで,これだけは私の希望を聞いてもらった.日本ではなかなか食べる機会がなく,食べられたとしても本格的なものかどうか疑わしいが,本場のパエリャは本当に美味しい(もちろん店による).バコに言わせると,「おこげ」が大切らしい.大満足した翌日は,朝から大学を訪問し,様々な施設を見学し,国際交流担当のスタッフとミーティングを行い,共同研究の内容について議論をした.なかなかのハードスケジュールだったが,昼食には海岸沿いのレストランへと出掛けた.広い砂浜がどこまでも続く海岸沿いには,多くの色鮮やかなアパートとレストランがあった.夏期には欧州中から人が集まり,アパートに長期間滞在するそうだ.強烈な日差しに,非常に濃い青色の海と空,砂浜にはトップレスな方々もいて,南国の開放感が満ちている.この季節,こんなところで仕事するのは無理だと思った.実際,大学も8月の1ヶ月間は完全に休みになるようだ.

ホテルの朝食はビュッフェスタイルだったが,レストランの一角にはオレンジを搾る機械があった.その機械が動いているところは一度も見なかったが,美味しいバレンシアオレンジの搾り立てジュースを飲みまくった.

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