2002年07月09日(火)
リーダーシップ

規模の大小にかかわらず,組織が優れた成果をあげるためには,優れたリーダーが必要である.極めて封建的な大学という組織でも同じだろう.もっと身近なところで,大学の研究室という組織であれば,教授−助教授(講師)−助手という階層型組織(教授と助教授が独立した米国型組織に移行している大学もある)の中で,教授がリーダーとしての責任を果たすことになっている.さて,リーダーの責務とは何であろうか.研究資金を掻き集めてくること,新たな研究領域を切り開くこと,自分が第一著者である論文数を稼ぐこと,後生を育成すること,既得権益を死守すること,一体何であろうか.

仕事ができることとマネジメントができることとは全く別物であり,それぞれ別の能力を要求される.部下として働いているときには優秀だったが,上司としては最低最悪なんてことも十分にありえる.リーダーシップとは何か,リーダーの責務とは何か,こういうことは学校で習う教科書には載っていない.しかし,リーダーたる者がまともな思想を持っていなければ,その組織は悲惨である.

当然,思想なんてものは一朝一夕にできあがるものではない.日常の中で,高い志を持ち,努力することが鍵となる.それができないなら,リーダーになる資格はない.似非リーダーは害である.

私も相当努力しないといけない...

【ドラッカーの言葉より(4)】

あらゆる組織において,人材の最大の浪費は昇進人事の失敗である.昇進し,新しい仕事を任された有能な人達のうち,本当に成功する人はあまりいない.この原因は,彼らが,新しい任務に就いても,前の任務で成功していたこと,昇進をもたらしてくれたことをやり続けることにある.新しい任務で成功するうえで必要なことは,卓越した知識や才能ではない.新しい任務が要求するもの,新しい挑戦,仕事,課題において重要なことに集中することである.

【ドラッカーの言葉より(5)】

リーダーたることの第一の要件は,リーダーシップを仕事と見ることである.効果的なリーダーシップの基礎とは,組織の使命を考え抜き,それを目に見える形で明確に定義し,確立することである.リーダーとは,目標を定め,優先順位を決め,それを維持する者である.リーダーが真の信奉者を持つか,日和見的な取り巻きを持つに過ぎないかも,自らの行為によって範を示しつつ,いくつかの基礎的な基準を守り抜けるか,捨てるかによって決まる.

リーダーたることの第二の要件は,リーダーシップを地位や特権ではなく責任と見ることである.優れたリーダーは常に厳しく,失敗を人のせいにしない.真のリーダーは,自らが最終責任を負うべきことを知っているが故に,部下を恐れない.優れたリーダーは強力な部下を求める.部下を激励し,前進させ,誇りとする.ところが,似非リーダーは部下を恐れ,部下の追放に走る.

リーダーたることの第三の要件は,信頼が得られることである.信頼することは好きになることではない.常に同意できるということでもない.リーダーの言うことが真意であると確信を持てることである.このため,リーダーが公言する信念とその行動は一致しなければならない.

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