2002年06月20日(木)
根元的な問題は何か

いつも,どこでも,厄介な問題ばかりである.問題に取り囲まれて,毎日生活している.そんな状況において,目の前の問題をとにかく片付けるという方法では,さらに泥沼に陥るばかりである.確かに,その問題は片づくかもしれないが,その問題を引き起こした根元的な問題を放置しておけば,いずれ問題は再発する.したがって,根元的な問題は何かを常に問わなければならない.そして,根元的な問題を解決しなければならない.

ドラッカーもこのことを指摘しているが,具体的な例を挙げながら,根元的な問題を見付ける方法について解説している書籍がある.「ザ・ゴール2 ― 思考プロセス」(エリヤフ・ゴールドラット著,ダイヤモンド社,2002)である.簡単に言えば,数多くの問題の因果関係を図(ブロックと矢印)で表現することによって,あらゆる問題の原因となっている根元的な問題を見付けようという発想だ.今更そんな当然のことを言ってどうするのか,という声も聞こえてきそうだが,しかし,常に根元的な問題の発見と解決に意識を集中している人がどれほどいるだろうか.当然と思っていることも,実行を伴わなければ無意味である.知らないに等しい.

【ドラッカーの言葉より(2)】

成果を上げる意志決定を行うためには,問題の性質を理解し,正しい解決策を採用しなければならない.直面する問題のほとんどは,基本的な問題の兆候にしかすぎない.圧倒的に多く見られる間違いは,一般的な状況を特殊な問題の連続として見ることである.一般的な状況としての理解を欠き,解決についての原則を欠くために,現場対応的に処理することである.結果は,常に失敗と不毛である.

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