2002年03月19日(火)
起業家養成スクール

東京理科大学が起業家養成スクール事業を始めるとのニュース(下記参照)を見かけた.どんな内容なのか非常に興味があるのだが,記事によると,英検や初級シスアドなどの資格取得が中心らしい.本当にそうだとしたら,どこが「起業家養成」なのだろうか.資格なんて取っても起業家にはなれないと思うのは私だけだろうか.起業家になるためには起業するネタが必要であるから,ネタを探す能力を開発するような内容でないと無意味な気がするのだが.もちろん,それが非常に難しいのは分かっている.役所が「想像力のある人材を育てる」なんて無茶なスローガンを掲げるのと似たようなもので,起業のネタを探す能力を身に付けさせる講義が簡単にできるはずもない.では,この起業家養成スクール事業の正体は一体何なのだろうか.もしかして,同大教授らが何らかのスクールを起業するための事業ということだろうか.それなら納得がいく.

ちなみに,本当に起業家を育てるつもりなら,まず,起業しようという気にさせなければならない.そのためには,1)会社は株主(持ち主)のために存在しているのであり,社員が働くのは株主(持ち主)を豊かにするためであること,2)良い大学に行って良い会社に就職するという教育熱心な親好みの進路は,優良企業の株主(持ち主)を豊かにするための良い労働力提供者になるのに適している(自分が豊かになるわけではない)こと,などの資本主義の基本を教える必要があるだろう.だからこそ自分で起業しなければならないのだと奮起させる必要があるわけだ.

【ニュース】

東京理科大学は4月の学校週5日制移行に合わせ,小中学生を対象にした起業家養成スクール事業を始める.ベンチャー企業を設立し,土曜・日曜日に大学の施設を開放して教授らによる3講座を開く.設立した企業はTUSネット.資本金は2000万円で大学が200万円,同大教授らが1800万円を出資した.経営学部のある久喜キャンパス(埼玉県久喜市)を拠点に,小学校5,6年生コースと中学校1−3年生コースを開講する.資格取得を重視した講義内容で,在学中に英語の場合は英検2級やTOEFL450点,パソコンは国家資格の初級システムアドミニストレーター取得を目指し,技術や知識を習得させる.論文作成のため,新聞などを通じ社会常識を取得するナレッジ講座もある.

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