あけましておめでとうございます.
学部を卒業したのが1992年3月.もうすぐ10年が経ちます.この間,修士課程で2年間勉強した後,助手として8年間を過ごしました.10年前と比べれば,随分と研究にも慣れました.毎年数回は国際会議で発表し,数報は国際誌に論文を投稿するようになりました.研究内容は時と共に移り変わりますが,問題を見付けて試行錯誤しながら解決し,その結果を論文としてまとめるという一連の作業を,自然と行えるようになりました.速度は遅いのかもしれませんが,ここまでは進歩できました.ここまで来られた最大の要因は,自分の置かれた環境にあると思います.この10年を含め,これまでの約30年間,本当に恵まれていたと思います.物質的にというのではなく,人に恵まれたということです.この縁とでも表現すべきものは,自分の力だけでは何ともなりません.そのため,ただ感謝するばかりです.
今年は,もっと挑戦的であることを目標にします.先にも述べたように,研究には慣れました.言い換えると,惰性だけでも何とかできるようになりました.このままでは,自分の成長は止まり,やがて枯れてしまいます.公務員や大学に対する世間の目は厳しいですが,結局,惰性だけで仕事をしている実体が指弾されているのだと思います.もちろん,すべての人が惰性で動いているわけではないですが,組織は惰性で動いています.すなわち,旧態依然.そんな組織を変革するのは大変ですが,自分のことは自分で決められます.今年は,新しいことに積極的に挑戦し,さらなる飛躍への礎を築く年にします.
話は変わりますが,本日は大発会でした.好調な滑り出しは誠に結構ですが,日本経済は大変厳しい状況です.3日付の米ウォールストリート・ジャーナル紙は「東京・アルゼンチン」と題した社説で,日本が早く経済成長を取り戻さないと,社会の安定は損なわれ,アルゼンチン同様の深刻な危機に直面しかねないとの見方を示したそうです(WSJはネット購読が有料なので自分で読んでません).さらに,日本の政治階級はアルゼンチンと同様に自己破壊的な慣習から抜け出せないようだ,とも.ここまで書かれるとは,何とも嘆かわしいことです.
ともかく,本年も良い年でありますようにと願うだけで良い年になったら誰も苦労はしないわけで,自分で良い年にしなければなりません.頑張ります.