２００１年１２月０５日（水）
過激な発言＠ＷＢＳ

ＷＢＳで，野村総研の植草氏が「太平洋戦争のとき，日本国民は『欲しがりません．勝つまでは．』と言って痛みに耐え，敗戦へと突き進んだ．現在の構造改革についても，正しい情報を国民に公開しなければならない．」という趣旨の発言をした．司会進行役の女性は「過激な．．．」と言っていたが，植草氏の発言は至極もっともだ．格下げされるまでもなく，日本は危険な状態にあるのだから．（前回の独り言の後，ムーディーズも格下げを発表）

また，植草氏の「現在の政策（緊縮財政）を変えないならば，景気は回復しないだろう．」という趣旨の発言に対して，

司会者：「構造改革を進めたらどうですか．」
植草氏：「構造改革って何ですか．」
司会者：「いろいろ構造改革が進んでいますよね．」
植草氏：「構造改革の内容を具体的に言って下さい．」
司会者：「．．．」
植草氏：「結局，構造改革は何もできていない．例えば，道路公団の件にしても詳細は何も決まっていない．」

という内容のやり取りがあった．この司会者さんは身の回りの情報に振り回されるばかりで，情報を自分なりに理解するという作業を怠っているのではないかな．とりあえず，口に出す前にもうちょっと自分で考えるべきだろう．ビジネス専門番組の司会者さんなのだから．

なお，日本経済を救う道がどれなのかは，私みたいな経済素人にはさっぱりわからない．

一般家庭でも常時インターネット接続が珍しくなくなり，ますます情報が氾濫する現代社会ではあるが，有用な情報が入手しやすくなった反面，無意味な情報も氾濫している．情報の取捨選択ができないと，さらには情報を正しく理解することができないと，酷いことになりそうだ．今後，格差は開いていくのだろう．．．

こんなことを書きながら思い出したことがある．１週間ほど前だったと思うが，何かのアンケート調査結果で，ペイオフを知らない人が２０〜３０％（正確な数字は忘れた）もいるという報告があった．出処を忘れてしまったが，小学生対象のアンケートではなく，成人対象のアンケートだった．まあ，そんな人達の多くは貯金なんてする余裕（あるいは気）もなくて，１０００万円なんて金額は関係ないのだろう．しかし，今の日本で生活していて，ペイオフを知らないままでいられるというのは不思議だ．こういう話題に触れると，貧富の格差は開いていくのだろうな，と本気で思える．