2001年12月01日(土)
改革できずに日本国債格下げ

11月28日,S&Pは日本の長期国債をAAに格下げしたと発表した.これにより,いわゆる主要先進国の中では,日本が最下位になった.なお,フィッチも26日にAAへの格下げを発表している.小泉内閣が誕生した当初は,国内外で改革に期待する声が多く聞かれたが,もはや改革は無理と見捨てられてしまったのだろうか.

特殊法人改革が重要なのは分かるが,とにかく廃止・民営化としか言わないのには悲しいものがある.別に廃止しなくても,公務員が天下りで複数回退職金をもらうことを禁じるなど,倫理観の消滅した輩をさっさと排除できるようにするだけでも立派な改革だと思う.なにか優先順位の付け方を間違ってはいないか.さらに,下記に示した項目のように,まともな改革は無理だなと諦めの心境になってしまうようなニュースが続く.

  1. 小泉内閣は新たな国債発行を避けるために,国債償還用のNTT株売却益を流用した.ただの誤魔化しであり,こんな姑息な手段で国債発行額を抑えたと言っても無意味だろう.
  2. 医療制度改革において,サラリーマン本人の患者負担が3割へと引き上げられるのに対して,日本医師会の顔色を窺って診療報酬の引き下げは期限がうやむやに.そもそも,患者,保険者,医者の三方一両損などと言うが,庶民は患者兼保険者であるため二重に損するわけだ.

そりゃ,格付け会社も格下げするはずだ.そろそろ格付け的には限界ではないだろうか.上記項目について,30兆円枠を守らなければならないとか,患者負担を増やすのは弱いものいじめでけしからんとか,別にそんなことを言う気はない.ただ,将来への展望なしに,小手先だけの制度いじりをしても無意味だと思うだけだ.

ここで疑問.今後数年間ぐらいで,金利が急上昇する可能性はどの程度なのだろうか.金利が上がらないならローンを返すし,金利が上がるなら返す必要ないし...

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