2001年09月08日(土)
ポルト(ポルトガル)滞在

今週は,ポルトで開催されたECC2001という会議に参加した.会議名を邦訳すると2001年欧州制御会議ということになる.

会議開催地のポルトは,ポルトガル第2の都市で,ポルトワインの産地として世界的に有名である.日本では馴染みが薄いポルトワインは液体の宝石とも呼ばれ,独特の色をしている.また,ポルトワインは一次発酵の途中でブランデーを加えて発酵を止める酒精強化ワインの一種であり,独特の甘みがある.「ルビー」と呼ばれる若い赤ワインは,本気で甘かった.一方で,アルコール分が20%ほどもあり,「タウニー」と呼ばれる赤ワインや「ブランコ」と呼ばれる白ワインは非常にきつかった.少なくとも,ガブガブと飲めるようなワインではない.日本人がワインと言われて思い浮かべるものとは明らかに違い,食前酒として飲むものだそうだ.このポルトワイン以外にも,ポルトガル独自のワインがある.その一つが"Vinho Verde"である.直訳すれば「緑のワイン」ということになるが,アルコール分が9%と低く,シャンパンのように軽い発泡性があり,さわやかで飲みやすい.この滞在期間中,ほぼ毎日飲んだ.輸送には向かないということなので,恐らく日本でお目にかかることはないのだろう.ポルトガル北部を訪れる機会があれば,是非試してみるべきワインである.

ポルトの街並みは,まさに中世ヨーロッパそのものである.アップダウンの激しい,曲がりくねった,狭い道が好き勝手な方向に伸びている.ポルト到着当日の午後に,時差呆け対策として6時間ほど街を歩き回ったのだが,何度迷子になったことか.気温も予想以上に高く,本当に消耗した.ただし,並の街並みではなく,世界遺産に指定されているだけあって,至る所に古い教会があり,歴史を肌で感じることができる.特に高台から見下ろす,夕暮れに映える街の景色は素晴らしかった.

とにかく物価が安いので,気軽に滞在できる.先述の"Vinho Verde"をせっせと飲んで,ポルトガル料理をせっせと食べて,大満足しても2000円でお釣りが来る.

こんなことだけを書いていると,多くの人は,大学の教官は世界各地に行けていいなぁと思うだろう.しかし,国際会議でそれなりのレベルの発表をするための準備作業の大変さを知れば,世界各地に行けなくてもいいと思い直すだろう.そんなに甘いものではないので,念のため.

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