2001年06月09日(土)
日本の社会が収斂する先にあるもの

ヨーロッパに旅行すると,大都市では,ブランド店に群がる日本人女性の姿が目に付く.外国人が簡単には買えないようなブランド品を彼女達が気軽に買えるのはなぜか.それは,買えるだけの収入があるからである.では,収入の差はどこから来たのか.勿論,日本人の給料が高いと言うことだが,同じもの・サービスを生産・提供していたのでは高い給料はもらえない.つまり,日本は高付加価値製品を生産しているから,それに見合った高い収入を享受することができ,ブランド品も買えるわけである.

例えば,中国製品の品質が向上していることは明らかである.そうでなければ,ファーストリテイリング(ユニクロの会社)の大成功は有り得なかっただろう.その他,鉄鋼や石油化学にしても,大量生産品は東南アジアに巨大な生産拠点ができている.さらには,日本政府がセーフガードという愚挙に出た食料品についても,もはや日本に国際競争力はない.タオルやネクタイなどについてもセーフガードを求めているようだが,江戸時代に戻って鎖国でもするつもりなのか.個人的には,食糧自給率が低いことは極めて深刻な問題だと認識している.国際分業などというのも所詮は平時の概念である.最終的には,自分の生活は自分で維持しなければならないのは当然である.あるいは,アジアにおいてECに対応する枠組みを作るという道もあるだろう.勿論,日本の政治力では,日本がリーダーには成り得ないが...

発展途上国と位置づけられていた国々が先進国との差を縮めていくとき,一体何が起こるだろうか.仮に,日本が大多数の国々でも生産できるような物しか生産できないとしたら,収入は同じ水準になるしかない.つまり,現在の生活水準を維持するのは不可能である.ただし,全国民の生活水準が一律に下がるのではなく,少数の富裕層と大多数の貧乏人に分かれていくだろう.当然,総中流などという言葉は死語となる.

結局,繁栄を維持するには,技術力に頼るしかない.他を寄せ付けない技術力が必要なのである.ソニーやトヨタに代表される国際優良企業がある一方で,銀行に代表されるような企業群もある.どちらに未来があるか.どのような人材が必要なのか.悲しむべきことに,日本国は,高度な技術力よりも低レベルでの画一性を尊重していく方針だ.現在の日本の教育水準は,もはや後進国レベルである.そういう危機的状況にありながら,さらに教科書を内容のないものにしている.日本の一般家庭からブランド品が消える日も遠くないのかもしれない.

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