2001年04月17日(火)
一日一善

毎日,バスを乗り継いで通勤している.バスを乗り換えるターミナルの手前のバス停近くに,付属小学校がある.朝の通勤時間にはその小学校指定の鞄を背負った小学生を多くみかけるのだが,今日に限って,一人の女の子がそのバス停で降りずにバスターミナルまで乗ってきた.おかしいなとは思ったが,バスを降りるまでは特に気に留めなかった.

私がバスを降りると,その子が出口付近でじっとしている.どうやら乗り過ごしてしまったようだ.バスを降りたものの,どうして良いか分からないその子は,目に涙を浮かべて立っている.乗り過ごして気が動転している小学生にとって,そのバスターミナルの構造は複雑すぎたようだ.放って行くわけにはいかないので,「乗り過ごしたの?じゃ,一緒に学校まで戻ろう.」と声をかけて,一緒に手前のバス停に向けて歩いていくことにした.途中まで行くと,同じ鞄を背負った小学生が現れ,その子は「あの人達に付いていきます.ありがとうございました.」と小声でお礼を述べて,去っていった.

さて,一緒に歩いている間,私は何を考えていたか?

『周囲から見ると,お父さんにでも見えるのだろうか.しかし,小学生の子供を持つには若過ぎる.万が一,誰かに怪しい人だと思われたらどうする.この子が,バスを乗り過ごしたので連れて行ってもらっていますと答えてくれれば良いが,もし黙っていたら.そうしたら,俺は少女誘拐未遂の犯罪者扱いか.それは洒落にならんな.間違いなく,顔写真入りで雑誌にのるぞ.京大教官が少女誘拐未遂!とかいうタイトルで.ネタとしては総裁選よりもいけてるし.ん〜,まずい.』

今のご時世,良いことをするのも大変です.

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