２００１年０３月３１日（土）
投資への興味

投資へ興味を持つ学生がいる．私は，パチンコなどに時間と金を費やすぐらいなら，株式投資や債券投資をたしなむ方が遙かに良いと思う．それゆえに，学生が投資に興味を持つことには大賛成である．投資を始めれば，普通は経済や政治にも関心を持つようになるし，その結果として，自分が日本国民であるという自覚も生まれる．現在のところ，政治を中心に，日本国民であることが悲しく，あるいは恥ずかしくなるような出来事が多いのが残念ではあるが．

学生が投資に興味を持つことには賛成であるが，本業である学業中心の生活を送ることが前提である．それぞれの分野でプロフェッショナルとして生きていくためには，とにかく実力を付けなければならない．いざ就職活動をするときになって慌てる学生もいるようだが，そのような態度は実に愚かに見える．大学生にもなれば，せめて自分の将来について真剣に考えて欲しいものだ．そして，できれば，国や世界の将来についても思いを巡らして欲しい．

さて，投資についてであるが，何も勉強せずに楽して儲けられると考えてはいけない．始めると決めたら，まずは基礎知識を身に付けるべきである．数ヶ月は勉強期間と思って，株式や債券，投資信託とは何か，どのように投資対象を選ぶべきか，などを勉強しよう．インターネット上には初心者向けの投資情報が数多く用意されている．なお，間違っても，この段階で，兜町裏情報みたいなものに手を出さないように．また，本格的に始める前に，例えば投資信託を１万円だけ買ってみると良いかもしれない．最初は，その値動きが気になって仕方ないはずだが，日々の値動きに一喜一憂して心を乱されているうちは，本格的な投資はやめておいた方が身のためだ．

公的年金は払う分だけ損をするとしか思えない状態であり，４０１Ｋも始まろうとしている．証券会社，銀行，生命保険会社などの倒産で自己責任が求められる今，自分の身と資産は自分で守らなければならない．学生諸氏は，マンガを読む暇があるなら，経済誌でも読んだらどうか．その方が知的好奇心の満足度が高いと思う．