２００１年０３月０３日（土）
これで良いのか？

（１）郵便貯金と特殊法人

ダメな特殊法人は潰せば良いはず．それなのに，郵便貯金や年金の資金を特殊法人に直接垂れ流さない代わりに，郵便貯金や年金の資金で政府発行の財投債を買い，その資金でダメ特殊法人債を買うそうだ．つまり，郵便貯金するということは，ダメ特殊法人を支援するということだ．市場原理に任せれば，そんな債券を誰も買わないだろう．郵便貯金利用者は，自分達が構造改革を進ませない原因となって，それでも良いのか．

（２）仕組み債

最近の株価下落で，政府はスケープゴートとして仕組み債を利用している．しかし，政治の貧困を隠すことはできない．株価には一喜一憂するべきではないと宣う総理大臣もあわせて，呆れ果てる．ところで，仕組み債を積極的に販売しているのは国内証券会社だ．商品の仕組みやそのリスクをまともに理解できない人達に売りつけておいて，自己責任という言葉を盾にノックアウト続出でも知らぬ顔だ．自分の駄賃稼ぎのために投資家の資金を食い荒らしておいて，株安を何とかしろと政府や日銀を責める．そんなところに，自分の資産を託せるものか．

（３）ＪＧＢバブル

バブル景気に踊り土地を買い漁った人達の多くはバブル崩壊過程の地価下落で多大な損失を出したことだろう．土地を高値掴みした人達にそれほど同情する気はないが，しかし，バブル崩壊で日本は随分と痛んでしまった．銀行は税金注入のおかげで辛うじて生き延びているというのに，社会的責任・社会的使命は微塵も感じないらしい．税金をもらっているのに，ボーナスはあるし，株主に配当も出す．赤字決算にする根性はないので，保有株を売却して利益を出し，株価が下がったら大変だと騒ぐ．自分で下げているのだろうが．ところで，その銀行は企業への貸し出しをやめて，ＪＧＢを買い漁っている．結果として，格下げされたＪＧＢは史上最高値をつける．この債券バブルはどういう結末を迎えるのだろうか．