2000年10月21日(土)
協栄生命破綻

昨日,協栄生命保険が生保版の会社更生法である更生特例法の適用を申請し,経営破たんした.随分前からダメだろうと考えていたが,養老保険というのを協栄生命で契約しているので結構痛い.不幸中の幸いは,以前保険などについて勉強したときに,協栄生命を見限って,定期特約付き終身保険を他社に乗り換え,養老保険も払い込みを止めたことだ.しかし,全部解約しておくのがベストだったという結末を迎えた.

破綻の原因は逆鞘で,社長は「超低金利は誠に異常だった」と言い訳したそうだが,そもそもバブルに踊った(泡踊り?)のが原因であろう.とは言うものの,ここまで放置したのは行政だ.行政の不甲斐なさは今に始まったことではないので,行政を決して頼りにしないいことが日本人の生きる道ということか.

勧誘に来ていたおばさんは「協栄生命は絶対に大丈夫です.ソルベンシーマージン比率も200%を越えていますから.」と,私が解約を申し出たときにも主張していたが,絶対なんてものはないのが世の中だ.破綻を受けて,私のところに事情説明に来てくれるのだろうか.それとも,契約者なんて放置されるのかな.

これまでにも言われてきたことだが,「自己責任」を要求するなら,責任を取らせるだけの情報開示が必要だ.この点で非常にレベルの低い日本は何とかなってもらいたい.

ところで,今回はプルデンシャルがおいしいところを全部もっていくのだろうか.協栄生命を破綻させて契約者に支払うべき配当金を支払わなくてよいようにしておいて,ごっそり契約を引き継ぐ.そんな簡単なものかどうかは知らないが,そう見える.証券会社,銀行,生保,一般企業など,日本の財産が外国に叩き売りされていくのを見ているだけか.


会社更生手続きの申し立てに対し,裁判所が保全処分を出したことで,保険契約者は契約を解約できなくなった.解約が自由にできるようになる時期は,裁判所が決める更生計画の中で定められる.その後も,一定期間解約返戻金を削減することが認められている.

契約通りの保険金を受け取れることが保証されているのは,特例期間の2001年3月末までの死亡保険金と入院給付金だけだ.ただ,これらの契約も来年4月以降は,支払われる保険金が最大数パーセントカットされることがある.

一方,貯蓄性の高い一時払い養老保険の満期保険金や個人年金保険などの保険金は「保険金全額補償」の特例の対象になっていない.破たん保険会社は,更生計画の中で,保証利回り(予定利率)を引き下げてもよいことになっており,こうした保険の保険金の受取額は,当初予定より減額される可能性が大きい.

プルデンシャル保険は,「裁判所から(支援先に)任命されれば,協栄生命の更生計画を支援するために,全力を傾けて慎重かつ速やかに計画を実行する準備を整える方針だ」との談話を発表した.このほかにも,数社も名乗りを上げている.

To Top
Copyright © 2000 chase-dream.com. All rights reserved.
admin@chase-dream.com